ダンステクニック
バレエ(ダンス)と言えば、プリエ。
先生からもプリエの大切さは、何度となく説明を受けていると思います。
レッスン中のダメ出しの大半もプリエ絡みではないでしょうか?
今はネットで「プリエ」を検索すれば、たくさんのサイトでプリエの説明を目にすることが出来ます。
なので、今回はポジションやよく言われる注意事項などは省略して、違う角度からプリエの話をしてみます。
私たちはプリエをレッスンすることで、何を学んでいるのか?
その学んだことをどう生かすのか?
みたいな話になりますが、決して難しい話ではなく、どっちかと言うととても単純なお話です。
レッスンではバーにつかまりながら、膝を曲げてプリエをし、膝を伸ばしアップしていきます。
つまり、プリエとはしゃがんでいくことを指してます。
しゃがむだけのことを指している言葉で、上がっていくことの意味は含まれていないんですね。
当たり前でした?
でもだからこそ、今日お話しすることが意味のあることだと感じ、一人テンション上がってきました (・’o’・) /
特にバレエでは見た目のプリエに注目が集まりやすいので、そういった側面(見た目)も大切なのですが、同時にあるもう一つの側面に注目します。
その前に、プリエをする目的は?
と言えば、2つ!
1つは、次の動きを助けるプリエ。
と、2つ目は、動きの処理をするプリエですね。
ジャンプの前にするプリエは、飛び立つ方向とエネルギーとなり、ピルエットの前のプリエは正確に真上に上がるためのセンサーになります。
また、ジャンプの着地では、プリエすることが体を守り、関節や筋肉の負担を減らすことになります。
ただどちらも区別して行うわけではなく、着地のプリエは体を守りながら同時に次の動きの助けも担っているというわけです。
この両者のプリエの制度を上げるために、バーレッスンで何度も確認したことを、フロアで試すことで身に付けていくわけですね。。
そこで本題ですが、プリエするときに、骨盤の向きや足の開き、アームスの動き、引き上げなどなど、いろいろと学ぶわけですが、同時にあるもう一つの肝心なことを学んでいます。
それは、重心を真下に直線的に移動させる、ということです。
直線的に!真下に移動させることを学んでいます。
ここからは、骨盤だの引き上げだの足の開きは無視してお話します。
私たちは次の動きに入る時、必ずプリエが入ります。
そして、そのプリエが次の動きの質を決定します。
プリエのいい悪いがその後の動きに100%影響するということです。
プリエが悪ければ、もうそこからジタバタしても取り返しがつかないし、プリエ良ければ後宜しというわけです。
だからこそダンサーは正確なプリエに拘り、レッスンではプリエの大切さに先生も口うるさくなるわけです。
さて、その「重心を直線で移動させる」、ことを学んでいるとはどういうことなのかを、イラストも使って説明していきましょう。
私たちは膝を曲げ伸ばしすることで、様々なことに注意を払いながら、体の重心を下に上に動かしています。
様々なことを無視すると、重心の上げ下げの精度を学び、その再現力を上げるレッスンをしています。
下のイラストは、その重心 ● が下がっている様子を正面からと横から見ています。
もし重心を真下に直線的に移動させることが出来ているならば、 ● が真っすぐなライン上にあるということです。
では、真っすぐではない重心の移動とはどういうことかというと、下のイラストのように、前後左右に重心がブレながら移動しているということです。
何故直線で真下でなければならないのか?
それは、次に真上に上がる予定があるからです。
真上に上がるために、真下に下がるんです。
それも直線で。
下のイラストはボールを真下に落とした時のリアクションです。
回転を付けずに真下に落とすと、真上に跳ね返ってきますよね。
真上に上がるためには、真下に、直線で落とす必要があります。
そして、同じ落とし方をすれば、何度やっても同じように真上にボールは跳ね返ってきます。
私たちが正確に、真下に直線でプリエすることを学ぶのは、次に真上に上がるためで、重心を上のボールのように、毎回同じように落とすことが出来るようになることで、真上に上がる精度も上がっていきます。
プリエの後に真上でなくて、前に、後ろに、斜めに進みたければ、重心を真下ではなく、進むべき方向に落としていかなければなりません。
もちろん直線で。
直線であることで、そのリアクションの再現性も上がってきます。
直線でなく、ブレた重心の動きであると、そのリアクションの再現性は著しく下がります。
上のイラストのように、ボールをブレながら落とすことは難しいですが、人の重心では可能です。
そのブレて移動してしまう重心は、ゆったりと動くレッスンでのプリエで身に付いてしまいます。
ゆったりと動くプリエは、重心を正確に移動させることが出来る人にとっては、より正確にその道筋を再確認することが出来、また早い動きにも応用させることが出来ます。
しかし、ゆったりであるが上に、体の歪み(必要のない緊張)がある人にとっては、その歪みが重心移動をブレさせてしまう原因となり、再現性が低下します。
余談ですが、美しく動くダンサーを見て、「軸があるなぁ」って感じる時がありますよね。
これって、重心の直線的な移動なんです。
移動の距離は関係なく、数センチの移動でも、ブレが一切ないド直線の重心の移動は、人の目に軸の存在を感じさせることが出来ます。
まとめ。
プリエで学ぶ肝心なこととは、重心を直線的に移動させること。
プリエする目的は、次の動きを助け、動きの処理をすること。
真下に重心を直線で下げるのは、真上に上がるため。
重心を直線で移動させることが、リアクションの再現性を上げる。
体の歪み(必要のない緊張)が重心の移動をブレさせる。
プリエする際に、やらなければならないことは山のようにありますが、中でも一番抜けてはいけないのが、この重心の移動です。
この重心の移動が失われないようにしながら、山のようなやるべきことを、クリアできるようになりましょう。
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